交通事故

追突事故でむち打ちになってしまった場合の対処法と注意点

交通事故で多い追突事故。追突事故によって人身事故に発展することも珍しくありません。
そして、追突事故被害でよくある怪我が「むち打ち」です。
むち打ちは、事故後すぐに痛みが出ないことも多く、病院に行かず間違った対応をしてしまいがちです。

今回は、追突事故に巻き込まれてむち打ちと診断されてしまった人に向けて、治療の際の注意点、保険会社への対応方法、そして後遺障害等級認定のポイントなどを解説します。

1.追突事故とむち打ちの関係

(1) 追突事故とむち打ち

追突事故では、骨折などの怪我ももちろんありますが、軽い追突事故で一番多いのは「むち打ち」という怪我です。

むち打ちは、頚椎などを損傷した場合に用いられている一般用語です。実際には、頚椎捻挫、頚部挫傷、外傷性頭部症候群などさまざまな正式名称が医学的に付けられています。

つまり、むち打ちは、交通事故の衝撃で首がしなって筋肉などを損傷する怪我の総称ということになります。

(2) むち打ちの症状

むち打ちの症状には以下のようなものがあります。

  •  首の痛み
  • 頭痛
  • 吐き気
  • 目眩
  • 手や指先のしびれ

むち打ちは「首の痛み」が代表的な症状です。首の痛みは数週間もすれば引くものと軽く考えがちですが、実はさまざまな症状を引きおこしかねない怪我です。
その中でも8割近くを占めるのが、頚椎捻挫という症状です。首や肩の痛みが生じることが多く、ひどいケースでは手や指に痺れが出るたりひどい頭痛に悩まされるケースもあります。

もちろん、事故態様や怪我の状態によって症状はさまざまであり、軽い症状の人もいれば痛みから気分が塞がりがちになり、うつ病も併発してしまう方もいらっしゃいます。症状によっては、一生付き合っていかなければいけないケースもあるのです。

このように、むち打ちの症状は多岐に渡ります。

(3) むち打ちの治療期間と治療頻度

むち打ちの治療は必ず、整形外科などの病院で行うようにしましょう。整骨院などで治療してもらうケースもありますが、この場合は医師による診断書が出ません。

医師の指示や同意がある場合に病院と並行して整骨院にも通院することは問題ありませんが、事故直後は必ず整形外科か総合病院に行き、事故による怪我であることを裏付ける診断書を作成してもらいましょう。

診断書が必要な理由については以下の記事をご覧ください。

交通事故の診断書を警察に提出し忘れた!

[参考記事]

交通事故の診断書を警察に提出し忘れた!治療費に影響はあるのか?

全体の治療期間としては、むち打ちの症状は多岐に渡りますが、早ければ3ヶ月程度、長くて半年程度が一般的です。
早い段階で適切な治療をすれば、治療期間も短くなるはずです。

また、治療は週1回以上受けた方がよいといえます。その理由は3つあります。

  • むち打ちの治りが遅くなる可能性がある
  • 保険会社から完治したと判断され、治療費を打ち切られる可能性がある
  • 慰謝料が減額される可能性がある

当然ですが、通院の頻度が少なく必要な治療がなされていないと、むち打ちの症状の治りが遅くなる可能性があります。

また、週1よりも少ない通院頻度だと、治療を受けていない=症状が完治した、と保険会社に判断されてしまうでしょう。そうすると、軽微な怪我であったということで、慰謝料も減額されてしまう可能性があります。

2.任意保険会社とのやりとりの際の注意点

交通事故でむち打ちとなった場合、任意保険会社とのやりとりで気をつけるべきことは以下のことが挙げられます。

(1) 追突事故は基本的に100%追突した側の責任

停車中の車に後方から車が衝突してきたケースでは、原則として被害者である前方のドライバーに責任はありません。

任意保険会社の担当者が最初から「過失割合は8:2となります」と主張してきた場合には、必ず根拠を尋ねるようにしましょう。そのまま流されてしまうと、損害賠償額や保険金が大きく下がってしまいます。

過失割合が修正される事情としては、被害者が急ブレーキをかけたこと、駐停車禁止区域等に停車していたことなどが挙げられます。

このような事情がある場合は、1割から3割程度被害者にも過失があると判断される可能性もあります。ただし、納得がいかない場合にはしっかりと争う姿勢を見せることが大切です。

(2) 治療中止を打診されたとしても簡単に応じてはいけない

まだ完治していないのにもかかわらず、3ヶ月程度経ったあとに保険会社から「治療費を打ち切りたいと考えています」と報告を受けるケースがあります。

治療中止に関しては、保険会社が判断するのではなく医師が判断するものです。
まだ痛みが続くなどの症状がある場合、簡単に応じてはいけません。応じてしまうとその後の治療費が受け取れなくなってしまいます。

何度も打診を受け困っているというケースでは、弁護士に相談して対策を考えるようにしましょう。

3.むち打ちの入院慰謝料の相場

交通事故被害に遭ったら、治療費だけでなく慰謝料も請求できることは皆さんご存知でしょう。

軽い追突事故でむち打ちになった場合、慰謝料といえば一般的には入通院慰謝料を指します。
入通院慰謝料は、人身事故による怪我や症状の影響で、病院へ通院・入院を余儀なくされたことへの償い金のことで、精神的・肉体的苦痛に対する賠償金です。

この入通院慰謝料については計算方法が3つ存在します。
計算軸が違うため、それぞれ慰謝料額は変わってきますが、ベースとなるのは自賠責保険による入通院慰謝料基準です。

自賠責保険では、1日4,200円と定まっており、「治療期間」と「実際に通った通院日数×2」の少ない方で慰謝料を割り出します。
例えば、治療期間3ヶ月(入院なし)、通院日数25日の場合は、《25×2×4,200》という計算式となり、21万円が慰謝料額となります。

ちなみに、損害賠償額全体が120万円を超える場合は、任意保険会社の基準で算定することになります。任意保険会社の基準は、自賠責保険の基準よりも高額ですが、計算式が公開されていないため実際のはっきりとした額はわかりません。

慰謝料額の増額をご希望の場合は、弁護士基準で計算すると大きく跳ね上がることがあります。

先の例だと、53万円となります。以下の表にてご確認ください。

弁護士基準

ちなみに、弁護士基準は裁判をした場合や弁護士に依頼した場合に利用できる基準となります。

このように、慰謝料の計算方法は3つあります。慰謝料額に納得できない場合は、ぜひ弁護士にご相談ください。

4.むち打ちが完治しなかった場合の後遺障害等級認定

次に、むち打ちが完治しなかった場合に請求できる後遺障害慰謝料についてご説明します。

むち打ちで治療を続けていても、なかなか症状が改善しないこともあります。

一般的には、治療開始から6ヶ月程度で医師から症状固定の診断が出されるといわれています。症状固定とは、これ以上治療を続けていても医学的には良くならない状態をいいます。

症状固定と診断されると、治療費は出なくなってしまいます。
しかし、この段階で後遺障害等級認定申請を行い、後遺障害等級を獲得すれば、等級ごとに定められた額の後遺障害慰謝料を受け取ることができます。

また、後遺障害がなければ得られたであろう収入(逸失利益)も損害賠償の対象となってきます。

後遺障害認定等級申請は、以下のような流れで進んでいきます(事前認定の場合)。

  1. 医師に後遺障害診断書を作成してもらい、保険会社に提出
  2. 後遺障害等級認定申請を保険会社が行う
  3. 書類の調査が行われ、結果が保険会社へ
  4. 保険会社から被害者に結果通知
  5. 等級に納得できない場合は異議申し立て

保険会社が後遺障害等級認定申請を行う「加害者請求(事前認定)」より、被害者自身が認定申請を行う「被害者請求」の方が、手間はかかりますが認定の可能性は高くなります。

なお、むち打ちの後遺障害認定については、以下の記事で詳しく解説しています。

交通事故でむち打ちに!正しい後遺障害認定のためのポイント

[参考記事]

交通事故でむち打ちに!正しい後遺障害認定のためのポイント

5.追突事故でむちうちになった場合は弁護士にご相談を

どれだけ安全運転に気をつけていても、後ろからいきなり追突事故被害に遭うこともあります。
むち打ちになってしまった場合には、損害賠償請求でしっかり加害者に責任をとってもらいましょう。

経験ある弁護士に任せてしまえば、被害者は治療やリハビリに専念いただけます。慰謝料額や治療費打ち切りなど、お悩みの場合はお気軽に泉総合法律事務所へご連絡ください。

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