交通事故

自転車と車の衝突事故。自転車の過失割合は低くなる?

自転車と車の衝突事故。自転車の過失割合は低くなる?

最近ニュースなどでよく聞こえてくる「自転車事故」。スマホを操作しながら自転車乗車中に事故に遭ってしまったケースなど、損害賠償で多額の請求となってしまったものもあり、内容はさまざまです。

実際、事故に遭ってしまった際に問題となるのは過失割合です。自分は悪くないと考えているのに、2割の過失があると言われると「なぜ?」と思ってしまいます。

そこで今回は、自転車と車の接触事故について解説します。最近多い事故から、過失割合の基本的な考え方までわかりやすくご説明します。

1.自転車事故の発生件数

まずは、近年の自転車事故の状況について統計から見てきましょう。

(1) 自転車関連事故は減少傾向にある

交通事故の中でも、最近注目を集めているのが自転車事故です。テレビのニュースなどでも大きく取り上げられることが増えました。

では、自転車事故は実際に増加しているといえるのでしょうか。

警視庁の統計によると、平成29年度の自転車関連事故は、90,407件でした。10年前の平成19年度の統計では171,171件であったことと比較すると、大きく減少していることがわかります。「自転車事故が多い」と思っていた方にとっては、意外な結果となっているでしょう。

自転車関連事故が減少した要因としては、2015年の道路交通法の改正が大きく影響しています。自転車の交通マナー違反に対する取り締まりが厳しくなり、違反者には罰金が設けられるようになったのです。

ニュースなどで取り上げられている通り、自転車事故で死亡事故など重大な結果が多発していたことから法律が厳しくなりました。これは、自転車事故減少に大きく影響しています。

もっとも、実際には車対自転車の事故が減少したといえそうです。というのも、人対自転車の事故に関しては、平成19年度が2,869件であったのに対し、平成29年度は2,550 件という結果であり、大幅な減少はみられないためです。

車対自転車の事故は減少しているものの、人対自転車の事故の減少幅は大きくないため、ニュースで自転車事故増加として大きくとりあげられることも多いのかもしれません。

(2) ロードバイクによる自転車事故の増加

では、車対自転車の事故ではどのような統計結果となっているのでしょうか。

平成29年度の車と自転車の事故は、86,225 件でした。10年前の統計では、162,804件であったことを考えるとかなり減少しています。

もっとも、最近では少し毛色の変わった事故が増えているそうです。それは、ロードバイクによる自転車事故です。

近年の自転車ブームで、スピードがでるロードバイクの利用者が急増しています。

ロードバイクは車道を走るため、歩道上ではなく車道の自転車事故が増えているのです。通勤での自転車利用も増え、自動車との接触事故が増加しているともいわれています。

ロードバイク利用者の中には、十分な事故防衛を行っていない方もいます。具体的には、プロテクターやヘルメットを装着していないケースです。

これは極めて危険な行為です。なぜなら、ロードバイクは素人でも40キロ近くのスピードがでる車両だからです。

原付自動車の制限速度は、時速30kmであることと比較しても、かなりの速度がでることがわかります。

交通弱者であると考えられていた自転車ですが、歩行者との間では強者となり、ロードバイクのマナー違反があれば過失割合に影響することもあるので注意が必要です。

2.自転車事故の過失割合

次に、自転車対車の接触事故の過失割合を見ていきましょう。

(1) 自転車対車

まず、基本的な考え方をご説明いたします。

過失割合とは、交通事故に対する各当事者の落ち度の割合を指します。基本的には、どちらかによほどの重大な過失がない限り、両当事者に過失があると判断されることが多くなっています。6対4というように表現されるのが一般的です。

この過失割合に基づき、損害賠償の額が定まるので、重要な指標となります。

自転車と車の事故では、自転車は交通弱者となります。そのため、過失割合においては自転車の過失割合が低くなるのが通常です。

「自動車7:自転車3」程度の過失割合が基本となると考えておけば良いでしょう。

また、これに加えて修正要素があれば、その分1割〜2割過失割合が低くなります。具体的には、自転車乗車側が子どもや高齢者であったケース、自動車が大型車であったケース、車に重大な過失や著しい過失があったケースなどでは、過失割合が低くなります。

車の信号が赤信号であるのに、車が直進してきたようなケースでは自転車の過失割合は0です。しかし、自転車の信号が黄色であったケースなどでは、自転車に1割の過失割合が認められます。

仮にロードバイクであったとしても、過失割合が大幅に修正されることはなく、基本的には自転車と同じような取り扱いとなります。

(2) 自転車の過失割合が大きくなるケース

実は、自転車でも車より過失割合が大きくなるケースもあります。具体的には、自転車側に重大な過失や著しい過失がある場合です。

例えば、赤信号なのに自転車側が信号無視して直進していた場合には、自転車8:車2というケースもあります。

これ以外でも、夜間に灯火せず走行していたケースや飲酒運転などは、自転車側に大きな過失が認められるケースがあります。

3.自転車事故後に気をつけるべきこと

次に、自転車事故後の処理で気をつけるべきポイントをご説明します。

(1) 警察に届け出ること・病院へ行くこと

では、自転車対自動車の事故で気をつけるべきことはあるのでしょうか?

自転車との接触事故は車の事故に比べ軽く考えられがちです。大きな外傷がなければ救急車も呼ばず、「大丈夫ですか?」の一言で終わってしまうこともあります。

ひどい場合は車が逃げてしまうこともありますが、この場合はひき逃げになるので例外的な事例として考えます。

とにかく交通事故が起きた際に、やるべきことは次の2つです。それは、警察に知らせることと、病院へ行くことです。

①警察に通報する

車との衝突事故が起きた際、自転車側に大きな怪我がない場合は、車の運転手から「警察を呼ばないで」とお願いされるケースがあります。点数が引かれるため、職業上運転できない期間があると困るケースなどで比較的多く見られます。

「損害賠償をしっかりもらえるなら…」と応じてしまうケースもあると思いますが、これは危険です。

というのも、後で保険会社から補償を受ける場合も、警察に通報したかどうかが必ず問われます。警察から出る事故証明がないと、保険を受け取ることもできませんのでこの点は気をつけるようにしましょう。

②病院へ行くこと

かすり傷であった場合など、軽症の場合は病院に行かない方も多いのが実情です。

しかし、後から後遺症などが出てきても事故後すぐに病院に行っていないと、事故との関係性が証明できないため、治療費や慰謝料を請求できないトラブルが発生します。少しでも負傷・痛みがある場合は病院へ行くようにしましょう。

これ以外にも、小さなお子さんがいる場合は、事故にあったときは必ず親を呼ぶことや、ナンバーや相手の特徴を見ておくことを普段からしっかり伝えておくことが大切です。

大人でも動揺する事故ですから、子どもは何もできなくなってしまう可能性が高いといえます。

緊急時にも対応できるよう、普段から親御さんと一緒に訓練しておくことが大切です。

(2) 過失割合で納得できない場合は合意しない

治療が終了した段階で、示談交渉に進むことになるのが通常です。このとき、加害者の任意保険会社から提示された過失割合に納得できないこともあるでしょう。

そのような事態が発生した場合は、合意に応じてはいけません。

被害者の方は怪我の治療などで肉体的・精神的にも疲弊していることが多いでしょう。できるだけ早く慰謝料を受け取りたいという思いから、納得できない額でも応じてしまうことがあります。

しかし、過失割合が1割上がるだけでも損害賠償の額は大きく変わります。そのため、適正でない額で応じてしまうと後々トラブルを招きがちです。

納得できない場合は、簡単に合意せず、交渉をするようにしましょう。そして、なかなか示談交渉が進まない場合は、プロである弁護士に相談してください。

適正な過失割合になるように、アドバイスを受けることや交渉を任せることも1つの方法です。

4.自転車事故の過失割合でお困りの場合は弁護士に相談を

最近よく話題になる自転車事故。ロードバイクでの事故は、特に重大事故につながりやすくなっています。

命を守るためにも、普段から交通マナーを守るようにしましょう。

もっとも、どれだけ気をつけていても交通事故の被害者となってしまうケースはあります。仮に事故被害に遭ってしまった場合は、警察と病院に必ず行ってください。加害者から交通事故の保障を受け取るためにも必要です。

そして、交通事故の示談交渉時、過失割合に納得できないこともあるでしょう。

そんなときは、専門家である弁護士にご相談ください。当該事故の場合、どのくらいの過失割合が妥当であるかを判断いたします。

保険会社の主張に怪しい点がある場合は、反論して過失割合に反映してもらいましょう。

交渉はすべて交通事故事案につき経験豊富な弁護士が担当いたします。今後のためにも、損害賠償は適正な額を受け取ることが大切です。

過失割合をはじめとする交通事故の示談交渉は、お気軽に泉総合法律事務所にご相談下さい。

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